家賃で住宅ローンは返せるのか|51歳、それでも。第20話

家賃で住宅ローンは返せるのか

「15万円から17万円くらいでしょう」

不動産会社から査定結果を聞いたあと、私は頭の中で何度も数字を並べていた。

家賃収入で、本当に住宅ローンは返せるのだろうか。

当時、今住んでいる家の住宅ローン残高は約750万円まで減っていた。

毎月の返済額は約9万2,000円。

この750万円は、手持ちの現金や日本株、投資信託を売却すれば、なんとか確保できると思っていた。

これまで、この返済は自分たちの給与から支払うものだと思っていた。

しかし、査定結果を聞いてからは違った。

もし現在の家を賃貸に出すことができれば、その家賃収入で住宅ローンを返済できるのではないか。

そんな考えが頭に浮かんだ。

何より、住宅ローンを完済すれば、この家は完全に自分たちの資産になる。

そして、年間180万円から204万円ほどの家賃収入を、給料とは別に得られることになる。

そう考えると、自然と心が躍った。

もちろん、家賃収入は保証されるものではない。

空室になる可能性もある。

修繕費がかかることもある。

想定どおりの家賃で貸せるとは限らない。

今住んでいる4LDK、119.04㎡の一戸建ては、最初の募集時は家賃を高めに設定する分、なかなか決まりにくいかもしれないとも思っていた。

それでも、一度住んでもらえれば、家族での入居がほとんどだろうから、1〜2年ですぐに退去する可能性は低いだろうとも考えていた。

それでも、これまで漠然としていた「もう一度家を建てる」という夢が、数字を使って考えられる計画へと少しずつ変わり始めていた。

私は返済予定表と査定書を机の上に並べ、何度も見比べた。

返済額。

家賃。

残高。

一つひとつ確認しながら、自分なりに計算を繰り返した。

家賃収入を、新しく購入する物件の返済に充てられるのであれば、当時の0.3%の変動金利で、5,500万円から5,700万円までの物件を購入できる計算になる。

ならば、その金額を前提に、大阪市中心部で物件を探せばいい。

その結果、一つの考えにたどり着いた。

「この方法なら、挑戦できるかもしれない。」

年間110万円ほど払っていた住宅ローンの返済がなくなり、代わりに年間180万円から204万円ほどの家賃収入が入ってくる。

借主が見つかれば、資産形成のスピードはこれまでより速くなるのではないかと思った。

もちろん、この時点では確信などなかった。

計画どおりに進む保証もない。

銀行はどう判断するのか。

新しい住宅ローンは組めるのか。

まだ分からないことの方が多かった。

それでも、数字を一つずつ積み重ねていくことで、「もう一度家を建てる」という夢は、現実として考えられるようになっていった。

この日、私の中で「無理かもしれない」という思いは、「できるかもしれない」という思いへと少しだけ変わり始めていた。

次回予告

第3章 約11坪との出会い

第21話 大手3社に土地探しを頼んだ

購入できる物件の予算が見えてきた。

私は希望する条件を伝え、大手不動産会社3社に土地探しを依頼することにした。

この物語には、始まりがあります。

51歳から、もう一度人生を動かそうとした理由。

よろしければ、第1話からお読みください。

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