第5話 二つの家を持つという、もう一つの夢
最初の家を建ててから、毎日の暮らしは大きく変わった。
家族と過ごす時間。
子どもたちの成長。
休日に庭の手入れをしたり、車を洗ったりする何気ない時間。
家は、私たち家族の思い出を積み重ねる場所になっていった。
そして、暮らしが落ち着いてきた頃、私は少しずつ考えるようになった。
「もし、もう1軒家を持てたらどうだろう。」
最初は漠然とした思いつきだった。
住み替えたいわけではない。
今の家に不満があったわけでもない。
むしろ、この家には満足していた。
だからこそ、もう1つの家を持つという発想が生まれたのかもしれない。
家は「住む場所」だけではない。
そう思うようになっていた。
土地には価値がある。
建物には役割がある。
暮らすためだけでなく、貸すこともできる。
将来、家族の選択肢を増やすこともできる。
そんなふうに考えるようになった。
「もう1軒一戸建てを買えるようになれればいいな。」
その1言だけが、心の中にあった。
不動産をたくさん所有したいという漠然とした思いは、昔からどこかにあった。
その思いが少しずつ形になり始めた大きなきっかけは、45歳の頃だった。
勤め先のお客様から勧められ、宅地建物取引士の資格取得を目指すことにしたのである。
勉強は苦しいときもあったが、学ぶ内容には自分が興味を持てるものが多く、楽しみながら取り組むことができた。

そして2019年3月、宅地建物取引士試験に合格した。
実務経験はなかったが、その頃から自然と不動産業界の取引先や知人が増えていった。
不動産賃貸業で成功している人の話。
資産運用として不動産投資を続けている人の話。
そうした実体験を聞くたびに、「いつか自分も」という思いは少しずつ強くなっていった。
宅地建物取引士への挑戦をきっかけに、不動産や資産運用への学びをさらに深めていった。
その歩みを振り返ると、資格への挑戦も少しずつ積み重なっていた。
2018年に不動産キャリアパーソン、日商簿記3級。
2019年には2級ファイナンシャル・プランニング技能士。
2020年には土地活用プランナー。
2021年には管理業務主任者、マンション管理員検定、住宅ローンアドバイザー。
2023年にはJSHI公認ホームインスペクター(住宅診断士)、第2種電気工事士。
1つ資格を取得するたびに、知らなかった世界が少しずつ広がっていった。
資格試験を受けるたびに、広告業界で働く自分が、好きな不動産業界の資格に自由に挑戦できる環境にいることを、ありがたく感じていた。
本業とは違う世界を学べることが純粋に楽しかった。
そして、その学びを重ねるたびに、不動産賃貸業への思いは、さらに大きくなっていった。
もう1つ、大きな後押しになったことがある。
最初の家の住宅ローンだった。
繰り上げ返済を地道に続けた結果、50歳頃には残高は約750万円まで減っていた。
完済すれば、この家を賃貸に出すことができる。
そう考えられるところまで現実が近づいていた。
「2つ目の家を持つ。」
それは、もう夢物語ではなかった。
少し頑張れば、手が届く。
初めて、そう思えた。
あの日から、私の夢は「憧れ」ではなく、「目標」に変わった。
次回予告
第6話 一歩踏み出さなければ、未来は変わらない
「いつか」と思っているだけでは、何も変わりません。
夢を現実にするためには、まず自分が動かなければならない。
資格の勉強を始めたこと。
新しい知識を身につけたこと。
人との出会いを大切にしたこと。
その一歩一歩が、未来の自分を少しずつ変えていきました。
人生は、踏み出した人だけが見ることのできる景色があります。
次回は、夢を現実に変えるため、私が踏み出した最初の一歩をお話しします。

コメント